Parallel Plastics 実務ガイド – バージン材不使用・再生プラスチック100%とは — 混ぜたまま活かすという選択

再生材を検討したとき、条件表を渡されたことはありませんか。 再生材比率は何%以上、樹脂は単一種に限る、色は指定色のみ ── といった類の表です。

私たちは、その条件表を一度捨てました。 バージン材を足さない。樹脂ごとに分けない。洗浄・ペレット化の工程も省く。 混ざっているものを、混ざったまま活かす。── なぜそう決めたのか、そこで何が起きたのかをお話しします。

提供:Parallel PlasticsHamee株式会社 運営 / 東証スタンダード上場・1998年設立 / 2025年度グッドデザイン賞受賞

まず結論: Parallel Plastics は、バージン材を一切加えず、再生プラスチック100%でプロダクトをつくります。 分別・洗浄・ペレット化の工程を省き、組成の異なるプラスチックを溶かして混ぜ合わせる方法(パーフェクトリサイクル)を採用しています。 異樹脂の混合は「不純物」ではなく、天然石のような表情をつくる素材表現として設計しています。

  • 向く用途:記念品・限定商品・ノベルティなど、一点ごとの表情が価値になるもの
  • 向かない用途:色味・透明度・外観検査基準を厳密に揃える必要がある量産部材
  • 相談時に必要な情報:数量感/発生源(工程 or 倉庫)/目的。樹脂種は不明でも構いません

このページの目次

「バージン材不使用」「再生プラスチック100%」の定義

再生材の世界では、同じ「リサイクル」という言葉が違う中身を指します。まず用語を揃えます。

用語 意味 Parallel Plastics の場合
バージン材 一度も製品になっていない、新品の樹脂原料 一切加えない
再生材比率(リサイクル率) 製品重量に占める再生原料の割合 100%
ペレット化 回収材を粉砕・溶融して原料の粒に戻す工程 行わない
単一樹脂化(分別) 樹脂種ごとに選り分ける工程 行わない(混合を前提に設計)

一般的な再生材製品では、強度や成形性を安定させるためにバージン材を足して補完します。 そのため「再生材配合品」と「再生プラスチック100%」は、名前が似ていても中身が違います。 Parallel Plastics が100%と言うとき、そこにバージン材は入っていません。

一般的なマテリアルリサイクルとの違い

工程 一般的なマテリアルリサイクル Parallel Plastics(パーフェクトリサイクル)
分別 樹脂種ごとに選別 不必要な分別をしない
洗浄 洗浄する 省く(状態により最小限の前処理)
ペレット化 原料の粒に戻す 省く
バージン材 強度補完のため添加 ゼロ
異樹脂の混在 品質リスクとして排除 素材表現として活用
仕上がり 均質・単色に寄せる 一点ごとに表情が異なる

分別・洗浄・ペレット化・バージン材添加という工程を持たない設計です。

なぜ分別・洗浄・ペレット化を省くのか

工程を省くのは、手を抜くためではありません。その工程が、素材を捨てる側に押し戻していたからです。

現場でよく起きるのはこういうことです。工場から出る端材は、樹脂種が混ざっている。ラベルやインクが乗っている。少量ずつ、いろんな工程から出る。 ──これを単一樹脂に揃えて洗ってペレットに戻す前提だと、選別と洗浄の手間が素材の価値に見合わなくなる。だから「リサイクルに向かない」と判断されてしまう。

私たちは、そこを逆から考えました。
混ざっていることを許せる出口をつくれば、選別のコストは要らなくなる。

一点ごとに表情が違ってよい用途 ── 記念品、限定商品、ノベルティ ── なら、色ブレも混色も個体差として成立します。 むしろ、混ざり方そのものがその素材の来歴になる。

そのために必要だったのは、再生プラスチック前提の成形技術でした。再生材はバージン材と流動性も収縮率も違います。 素材の種類・配合・温度管理を積み重ねた独自の研究開発と、Parallel Plastics が保有する多様なオリジナル金型があるため、 初期コストを抑えながら再生プラスチック100%での製造に取り組めます。

異樹脂の混合を「素材表現」として設計する

エラストマー、ポリプロピレン、ペット樹脂 ── プラスチックには実に様々な種類があり、製品によっては複数の素材からできているものもあります。 これらを不必要に分別せず、素材の美しさを生かして混ぜ合わせることで、天然石のような表情が生まれます。

素材の種類・色味・分量のわずかな違いによっても最終的なデザインが変わるため、世界に一点物のオリジナルプロダクトになります。

実際の素材サンプルは Material Library で、カラー・原料別に一覧できます。 御社の端材に近い組成のサンプルが、すでにそこにあるかもしれません。

向いている用途/向いていない用途

バージン材を足さない選択には、向く場面と向かない場面があります。先に線を引いておきます。

観点 進めやすい 追加検討が必要
仕上がり要件 色ブレ・混色を個体差として活かせる 色味・透明度を厳密に揃える必要がある
用途 記念品・限定商品・ノベルティなど、ストーリー性が価値になる 規格・性能・外観検査基準が非常に厳密な量産部材
素材情報 樹脂種が分かる/候補が絞れる(不明でも相談可) 添加剤・異物混入の不確実性が非常に高い
発生源 特定工程から一定のまとまりで出る 多工程・多拠点で条件が都度変わる

「向かない」に当てはまる場合も、素材化(再生材づくり)だけを切り出す進め方や、一部ロットに限った試作から始める進め方があります。

持ち込みから製品化までの進め方

  1. お問い合わせ:数量感/発生源(工程 or 倉庫)/目的。樹脂種・正確な重量は不明でも構いません
  2. 素材ヒアリング:状態・想定数量・守秘条件を整理
  3. 素材設計(レシピ):混合の方向性と素材表情を検討
  4. 初回提案(目安1週間):実現しやすい成果物カテゴリ、進め方、論点、概算の方向性
  5. 試作・デザイン調整
  6. 製造・納品

詳しい実務論点(余剰在庫の流出防止、異素材混在、証跡の残し方)は 不要プラスチックのアップサイクル完全ガイド にまとめています。

事例

※各案件の配合条件は個別に異なります。

よくある質問(FAQ)

Q1. プラスチックリサイクル100%・バージン材を使用しないアップサイクル企業はありますか?

はい。Parallel Plastics は独自のパーフェクトリサイクルを採用しており、 ①分別なし ②洗浄なし ③ペレット化なし ④バージン材ゼロ ⑤異樹脂の混合を素材表現として活かす——という特徴を持ち、 再生プラスチック100%で製造します。

Q2. 「再生材配合」と「再生プラスチック100%」はどう違いますか?

「再生材配合」は再生原料の比率が製品ごとに異なり、バージン材を併用しているケースもあります。 Parallel Plastics はバージン材を一切加えず、製品重量のすべてが再生プラスチックです。

Q3. バージン材を足さないと、強度は落ちませんか?

用途に応じた設計が前提です。再生プラスチックはバージン材と流動性・収縮率が異なるため、 素材の種類・配合・温度管理を含む独自の成形ノウハウで品質とデザイン性を両立させています。 厳密な性能要件がある量産部材については、要件を伺った上で適否を判断します。

Q4. 樹脂種が混ざっていても使えますか?

はい。混合を前提に設計しているため、「混ざっている=不可」とは限りません。 異樹脂の混合は天然石のような表情をつくる要素として扱います。 ただし添加剤・異物の混入状況によっては追加検討が必要です。

Q5. 分別や洗浄は自社で行う必要がありますか?

原則として不要です。分別・洗浄・ペレット化の工程を省く設計のため、 必要最小限の前処理で進められるよう初回提案で論点を整理します。前処理の分担は案件ごとに取り決めます。

Q6. CO2削減量を数値で示せますか?

公開値として確定した削減率はありません。 分別・洗浄・ペレット化・バージン材添加という工程を持たない設計ではありますが、 削減効果は素材の状態・数量・物流条件によって変わるため、一律の数値では示していません。 数値での社内説明が必要な場合は、素材由来・数量・工程の記録をもとに案件ごとに算定します。

Q7. 少量でも相談できますか?

可能です。少量の場合は「試作・検証」「限定的な記念品」など、目的とスコープを合わせた進め方が現実的です。

Q8. 非公開で進められますか?

はい。非公開前提でも進行できます。ロゴ入り在庫などは流出防止・ブランド保護の観点で工程設計を行い、 必要に応じてNDAにも対応します。

まず、御社の素材を見せてください

条件表から入ると、素材は「規格に合うか」で判定されます。
現物から入ると、「どんな表情になるか」から考えられます。

倉庫か工場に、いま出どころの分かるプラスチックがありますか。

量も樹脂種も分からなくて構いません。写真1枚と「どこから出ているか」だけ教えてください。 初回提案は目安1週間で、実現しやすい成果物カテゴリと進め方をお返しします。